2006年7月30日

レバノン南部のカナという村で、イスラエル空軍機が、レバノンの避難民らが滞在していた民家を爆撃して、少なくとも54人の市民が死亡しました。しかもその半分以上が子どもです。レバノンの首相が怒りのあまり、ライス国務長官との会談をキャンセルしたのも理解できます。民間人の死者はすでに700人に達しており、国際社会でのイスラエルに対する批判は強まる一方です。ホロコーストの経験から、おのれの武力以外には信頼できなくなったイスラエルが、国際社会で今後孤立を深めるような気がいたします。いずれにせよ、40度近い気温の中で50万人の市民が難民化しているレバノンの状況を考えると、即時停戦を実現することが先決でしょう。イスラエルはヒズボラの武装解除を実現しない限り、応じないと思いますが。ユダヤ人に最も重要なものは安全であり、レバノン国境から北へ30キロ程度の緩衝地帯の設置か、国連の平和維持部隊の駐留が前提となるでしょう。ドイツでは、この部隊に参加するかどうかをめぐって、激しい議論が起きています。特にナチスの過去があるだけに、ドイツにとっては機微に触れる問題です。